月別アーカイブ: 2013年5月

催しのお知らせ

2013年度 第二回先進科学塾@名大 <受付終了しました>

申し込みフォーム:31日(中学生以上)
申し込みフォーム:1日(高校生以上)

『音をみる!』

  インストラクター 林 熙崇 氏  

「音をみる」と表現すると奇妙に聞こえますね。「音は聞くもので、目で見るものではない!」としかられそうです。ヒトの場合、空気の振動として伝わってくる波を耳の鼓膜が受け、その奥にある三半規管で神経が感じ、それを脳が音として理解します。三半規管まで音は単なる振動です。実は振動は目で見ることができます。いろいろな方法で音の振動を“見て“みましょう。

  • 日時 2013年8月31日(土),9月1日(日)  10:00~16:00 (途中昼休みを挟みます) 
  • 場所 名古屋大学 理学部C館2階C207号室(物理会議室)
  • 対象 31日(土)中学生以上~一般の方 1日(日)高校生以上~一般の方
  • 費用 500円/人                                   
  • 人数 各日20名 (定員に達し次第〆切ります)                
 インストラクタープロフィール
林 熙崇(hayashi hirotaka):名古屋大学F研究室客員研究員。愛知工業高校非常勤講師。2003年まで高                    校教論。名古屋大学の教養教育院の実験授業の教材開発やスーパーサイ                    エンスハイスクールの出前授業講師などを務める。東レ理科教育賞受賞                      (1995,1998,2001年度)。これまで数え切れないほどの実験講師を務め、参                    加者ともども物理を楽しんできた。

科学ニュース

暗黒物質ってなに?!

暗黒物質の存在が始めて示唆されたのは、1933年のZwicyの指摘だと言われています。彼の観測によると、遠方のかみのけ座銀河団の速度のバラ付きが大きく、銀河団として固まっているのが不自然なほどでした。これを説明するには目に見えていない重力源が必要となります。以来様々な間接的な証拠がみつかり、目に見えず触ることもできない、しかし重力によって影響をおよぼす謎の物質「暗黒物質(ダークマター)」の存在が有力になってきました。

有名な証拠の1つに、「銀河の回転曲線問題」という物があります。高校の力学の知識で概算できるのでとりあげてみましょう。

D.P.Clemens, Astrophys.J.295 422(1985)

我々の銀河系は半径がおよそ14kpc(1kpc=約3300光年)の円盤状の形をしています。太陽系がある円盤部分はあまり密でなく、星のほとんどは中心のバルジと呼ばれる明るい球状の部分に存在します。
重力と遠心力の釣り合いを考えると、回転位置より内側の質量M(r)と速度vは v = √(GM(r)/r)という式が導けます。バルジより内側では、例えばM(r)はrの3乗(球の体積)に比例して増えるとすると、回転速度vはrに比例して大きくなります。(図のグラフの回転速度の立ち上がり)
逆にバルジの外側で、M(r)がほとんど増えていかず一定値となるとすると、vはrの1/2乗に反比例して減っていきます。(図のグラフの赤線、回転速度の減衰部)
しかし実際の速度はそうなっていませんでした。ある半径以上では、回転速度はほとんど一定の速度になっています。
M(r)がrに比例するとき、vは一定値になるので丁度このような状態になります。これは、銀河系をゆったりと包み込むような、目に見えている数倍の質量分布があると説明出来ます。
宇宙背景放射と呼ばれる、宇宙の初期の時代の情報をもった微弱な光について、近年精密な観測がなされました。この結果は、我々の知る通常の物質はわずか4.6%に過ぎず、24%は暗黒物質、残りの71.4%は宇宙の膨張を加速させるダークエネルギーと呼ばれるものでできていると示唆しています。

WMAP 9 years results:Credit: NASA/WMAP Science Team

我々が説明出来るのは宇宙のまだ一部にしか過ぎません。宇宙には未だ数え切れない謎が残されているのです。